4月14日(金)ガタガタ言わずに植えさんしょ!

なんだか園芸づいている。
山椒の枝が、穂山椒の佃煮とともに送られてきた。
挿し木してみようかな。
見たとたんに思った。

ネットで調べてみる。
山の木だから丈夫だ。たいていは根付く。
と、書いてあるページもあれば、
非常に難しい木だ。繊細な扱いが必要。
と、書いてあるページもある。

どっちも本当なのだろう。
同じ植物であっても、気むずかしくさせる環境と、
おおらかにさせる環境がある。
どちらの環境かは植物だけを見ていてもわからない。
視野を広げて、周りを観察する……
これが意外に観念至上主義に慣れた、
都市生活者の目にはむずかしい。

まずやってみることだ、と、これは、
いつも心の内で唱えている言葉なのに、
やたら怖じ気づいている自分がいる。

重曹やビネガーを使うのとは違って、
植物は失敗したら枯れてしまう。
だんだん元気がなくなり、
声も立てずに死んでしまう。

自分の行動の結果として、
それを見るのがつらいから、
失敗しないようにと二の足を踏む。
三の足、四の足を踏み続け、
結局育つタイミングを逸してしまう。

なにも起こらなかった世界には、
生もなければ死もない。
喜びもなければ悲しみもない。
その定常を全き宇宙と呼ぶのだろうか。

それならば、植物も動物もない、
地球の邪魔ばかりしている人間もいない、
岩石だけの星だったらよかったのだろうか。

おっとっと。
そこまで話をデカくする必要はないでしょう。
自分の栽培技術のなさを棚に上げ。

とりあえずグラスに水を張り、
山椒の枝を一休みさせる。

どう? 植わってみる?
枝に聞く。
それとも葉っぱだけ冷凍になる?

山椒の声は聞こえないけど、
命あるものの答えは、
始めから決まっている気もする。

微生物から恐竜まで。

生くべき場所に生くるのみ。
岩だらけの星になにかの希望が棲み着いた、
それが地球の形ならば、
まあ、やってみようじゃありませんか。
新しい物語を。
新しい「生きる」のスタートを。

少なくとも冷凍して甦るのは、
今の技術じゃ無理でしょう?
なら、植わってみるよ!
Zanthoxylum said.

そんなわけで、
明日は新しい土と鉢を買う予定です。