ハーブと豆と葉野菜と。
庭師Y氏とともに、
新しい畑に苗を植えたり、種をまいたりする。
これで、まあ、一段落ですね。
どれが根付くかわからないけれど、
まずはここから始めましょう、とY氏。
ハイ師匠。
いろいろとありがとうございます。
もう必要ないだろうということで、
Y氏はでっかい木槌を持って帰るという。
開墾記念の写真を撮った。
木槌とY氏と私の足。
ところで師匠、その木槌、どこから調達しなすったんで。
アン? ウチの町内の消防団詰め所よ。
え? するってえと、その木槌は。
そうそう、打ち壊し道具。
延焼を防ぐために、建具を倒したりするのに使うヤツよ。
ひええ、ホントーに打ち壊し道具だったんすねー。
道理で物騒な感じだと思いましたー!
開墾ってのは、最初は破壊と同じようなもん。
今じゃ想像つかないだろうけど、
こういう道具が必要な時期もあったってことよ。
なるほどー。
消防団のみなさんには、ぜひ宜しくお伝えくださいー!
あいよ、と答えてY氏は帰っていった。
周りから浮きまくる、肩に乗せた木槌をものともせず。
師匠、職務質問に合いませんでしたか。
力強い打ち壊しと建て直しをありがとうございました。
人の力、道具の力、天地の力、まざまざと感じましてございます。
奇跡とは、なんだか不思議にも、
それらが全部調達できてしまう瞬間のことをいうのでしょう。
でも目の前に当たり前のようにそれらがあれば、
揃っていることを奇跡とは思わないものです。
なんという贅沢でしょう。
改めて、心から感謝申し上げます。
木槌ありがとうございました。