4月13日(木)木槌の奇跡

ハーブと豆と葉野菜と。
庭師Y氏とともに、
新しい畑に苗を植えたり、種をまいたりする。
これで、まあ、一段落ですね。
どれが根付くかわからないけれど、
まずはここから始めましょう、とY氏。

ハイ師匠。
いろいろとありがとうございます。

もう必要ないだろうということで、
Y氏はでっかい木槌を持って帰るという。
開墾記念の写真を撮った。
開墾記念
木槌とY氏と私の足。

ところで師匠、その木槌、どこから調達しなすったんで。

アン? ウチの町内の消防団詰め所よ。

え? するってえと、その木槌は。

そうそう、打ち壊し道具。
延焼を防ぐために、建具を倒したりするのに使うヤツよ。

ひええ、ホントーに打ち壊し道具だったんすねー。
道理で物騒な感じだと思いましたー!

開墾ってのは、最初は破壊と同じようなもん。
今じゃ想像つかないだろうけど、
こういう道具が必要な時期もあったってことよ。

なるほどー。
消防団のみなさんには、ぜひ宜しくお伝えくださいー!

あいよ、と答えてY氏は帰っていった。
周りから浮きまくる、肩に乗せた木槌をものともせず。

師匠、職務質問に合いませんでしたか。
力強い打ち壊しと建て直しをありがとうございました。
人の力、道具の力、天地の力、まざまざと感じましてございます。

奇跡とは、なんだか不思議にも、
それらが全部調達できてしまう瞬間のことをいうのでしょう。
でも目の前に当たり前のようにそれらがあれば、
揃っていることを奇跡とは思わないものです。

なんという贅沢でしょう。
改めて、心から感謝申し上げます。
木槌ありがとうございました。