4月7日(金)春の嵐のおかげで

どうもおかしいと思っていたのだ。
旅から帰って、車庫の車の前面がひどく土で汚れていた。
屋根があるのだし、そこまで風雨が吹き込むような、
台風シーズンではないはずだけど。

春にしては冷え込む夜、
数日ぶりにエアコンをつけて気がついた。
壊れている。本体はリモコンの信号に反応するが、
室外機が動かない。

エアコンメーカーさんに電話をする。
「ああ、そうなんですよ、
先日の春の嵐のおかげで、
ずいぶんいろんなところの室外機が壊れて、
今修理に追われています。
基盤に水が入ってしまったケースがほとんどです」
台風で吹きさらしにしても大丈夫だった室外機に、
水が入るほどの嵐とはこれいかに、と思うが、
そのとき家にいなかったので様子がわからない。

嵐すごかった? と聞くと、
「すごかったですよ」と皆答える。
しかし、どうすごかったかを表現するのはむずかしい。
「桜が全部散るくらい」とか、
「お花見の場所取りシートが飛んでいくくらい」とか、
それこそ風雅な、しかし目安にならない答えが目立つのだった。

修理は昼間、雨の降らない日に行います、と担当者さんが言う。
また基盤に水がついては元も子もありませんから。
ここしばらくの予定で、まあきっと晴れていて、
お昼過ぎまで家にいられる日を教えてください、
と訊ねられて、思わずうなる。
天気予報とにらめっこして、ちょうどそのときに予定を合わせられる、
そんな日が果たしてこの1カ月以内にあるだろうか。

それからずっと天気を気にしている。
いるときは雨が降り、いないときには晴れている。

くやしい。
そのうち必ず同期するぞ!

そう思って、けっこうマジメに空のリズムを聞いている。
序奏のように、助走のように。